AI界からこんにちは!🚀
本日のニュースレターでは、以下の注目トピックをご紹介します。
・GoogleのAI「Gemini」、定期的なタスク自動化機能で実用性向上
・Luma AI、新機能「Modify Video」で映像編集の可能性を革新
・OpenAIのChatGPT、グローバルで断続的な障害発生中・SoraやAPIにも影響拡大
GEMINI
GoogleのAI「Gemini」、定期的なタスク自動化機能で実用性向上
Googleは、同社のAIアシスタント「Gemini」に新機能「Scheduled Actions(スケジュールアクション)」を追加した。これにより、日常業務においてGeminiがより実用的かつ積極的なサポートを提供できるようになる。
このアップデートにより、ユーザーは特定のタスクを決められた時間、または繰り返しのスケジュールで自動実行するよう設定することが可能となった。
注目すべきは、本機能が複数のプラットフォームで利用できる点である。つまり、iPhoneユーザーも、Geminiアプリをインストールし、対応するサブスクリプションに加入していれば、この「スケジュールアクション」を利用することができる。
出典:Gemini
受け身のチャットボットから、能動的な「アシスタント」へ
Scheduled Actionsは、Geminiがより“能動的”なアシスタントとして機能することを目的として設計された。これにより、ユーザーからの指示を待つのではなく、日々繰り返される作業を自動で処理できるようになる。
例えば、次のようなアクションが自動化できる:
・毎朝、スケジュールと未読メールのダイジェスト送信
・毎週末、ブログ執筆のヒントをリストアップ
・応援チームの試合終了後に最新情報を共有
・特定のイベントに関する要約を翌日に送信する単発タスクも設定可能
タスクの設定方法も簡便で、時間指定付きのリクエストを送るか、既存の命令をスケジュール形式に変更するだけで完了する。設定済みのすべてのアクションはアプリの「スケジュールアクション」管理画面に集約され、ユーザーが内容・実行時間を自由に調整できるようになっている。
対象ユーザーとGoogleの戦略的背景
現在、「スケジュールアクション」機能は有料プランを契約しているユーザーを対象に順次展開されている。対象となるのは以下のユーザーである:
・Google AI ProまたはUltraプランの加入者
・対応するビジネス用または教育機関向けのGoogle Workspaceプランを利用するユーザー
このアップデートは、AndroidとiOSの両方に対応しており、ユーザーがアプリを手動で更新する必要はない。機能はGoogleのサーバー側から自動的に反映される仕組みだ。
この動きは、Geminiをよりパーソナルかつ積極的にサポートできる存在に進化させようとするGoogleの長期戦略の一環である。Google I/O 2024でも語られた通り、同社はGeminiを従来の命令待ち型ボットから、より高度な生活支援AIへとシフトさせる方針を明確にしている。
この新機能は、日常的にAIアシスタントを使うユーザーにとって、実務的価値の高い追加機能となっている。単なる目新しさではなく、日々の業務や家庭管理、あるいはルーティンタスクの記憶補助など、具体的な行動の中でその有用性を実感できる内容である。
また、「スケジュールアクション」は、従来型のリマインダーアプリに代わる新しい選択肢として、Geminiの役割をさらに強化し、ユーザーのライフスタイルに深く入り込むことが期待されている。
LUMA AI
Luma AI、新機能「Modify Video」で映像編集の可能性を革新
AIスタートアップのLuma AIは、最新の動画編集機能「Modify Video」を正式に発表した。本機能は、同社の映像生成プラットフォーム「Dream Machine: Ray 2」に組み込まれており、ユーザーが映像制作の専門知識を持たなくても、AIを活用してスタイルや登場人物、背景を細かく制御できる点が特長である。動きやパフォーマンスを保持したまま編集できることから、コンテンツ制作のコスト削減や柔軟性の向上が期待されている。
Modify Videoの特徴とは
最大の特長は、元の映像の動きや演技の質を損なうことなく、ビジュアルを根本的に再構成できる点である。これにより、制作時間の短縮やコストの最適化、さらにはコンテンツ制作における柔軟性の拡大が見込まれる。
ユーザーは、既存の映像素材をアップロードし、用途に応じて用意された3つのカスタムモードの中から適切なものを選択することで、希望するスタイルに変換できる。初期フレームの手動調整も可能であり、その後の処理はすべてAIが行う。
本機能で利用できる編集モードは以下の通りである:
・Adhereモードでは、映像の構造と質感を保ちながら微調整を行う。色調の変更など繊細な修正に適している。
・Flexモードは、オリジナル要素の保持と創造的な変更を両立させる中間的なアプローチである。
・Reimagineモードでは、映像を全面的に変化させ、キャラクターをまったく異なる存在に変えることも可能となっている。
このように、Modify Videoは、従来の映像編集に革命をもたらすツールとして、あらゆる業界のコンテンツ制作者に新たな選択肢を提示している。
出典:Luma Ai
Luma AIが発表した「Modify Video」は、単なる動画編集ツールではない。姿勢、口の動きの同期、顔のトラッキングといった高度なパフォーマンス信号を活用し、高品質な映像出力を実現する。
・動作と演技を完全保持:オリジナルの演技や動きは一切失われず、背景やスタイルのみが変更される。
・複数のバリエーション生成:1本の動画から多様なスタイルを生成でき、顧客への提案や試験的な演出に役立つ。
・直感的な操作性:テキストによる詳細な説明は不要で、参考画像のみで意図を伝えられる。
現在の仕様では最大10秒、アスペクト比16:9、720pの解像度に制限されているが、第三者評価ではRunwayの「V2V」よりも、顔の変化や動作の継続性において高く評価されている。
現段階では試験的な技術に留まるが、その表現力と自由度の高さから、将来的にはVeo 3やKlingといった業界の先行プレイヤーと競合する存在になると見られている。プロフェッショナルな映像制作における作業フローを根本から変える可能性を秘めている。
CHATGPT
OpenAIのChatGPT、グローバルで断続的な障害発生中——SoraやAPIにも影響拡大
OpenAIが提供するAIチャットボット「ChatGPT」において、世界中のユーザーからアクセス障害や応答の遅延が報告されている。問題は米国東部時間の火曜早朝に始まり、一部では完全にサービスが停止するなど深刻な状況に発展している。
SNSプラットフォームXおよびRedditには、多くのユーザーが「読み込みが失敗し、エラー表示が出た」との投稿を行っており、影響の広がりが可視化されている。
障害監視サービス「Downdetector」の統計によれば、異常は午前3時頃(ET)から観測されており、OpenAIの公式ステータスページでも、ChatGPTのほか、生成AI「Sora」およびAPI全体において「エラー率と応答遅延の増加」が確認された。
OpenAIは午前5時過ぎに、「Soraに関する高いエラー率」を個別に記載した後、全体状況を「一部サービス停止」と更新。さらに同社は「不具合の原因を突き止めた」と表明し、「早急に修正作業を進めている」とのメッセージを発信した。
なお、全てのユーザーが影響を受けているわけではなく、接続や応答が遅くなっているケースもあれば、筆者のように通常通り利用可能な場合もある。これにより、障害は断続的かつ局所的なものである可能性が高いと見られる。
AI検索サービス「Perplexity」でも障害が発生しており、OpenAIが提供する複数のモデルを活用していることから、今回の障害との関係性が指摘されている。公式ステータスページでは、「パフォーマンスの低下とエラー頻度の上昇」が確認されており、正常なサービス提供が難しい状況となっている。
出典:Downdetector
Downdetectorによると、Perplexityにおける障害は米国東部時間の午前7時前後から発生しており、OpenAIの大規模な障害に起因するものと見られる。
OpenAIはステータスページを更新し、「サービスに影響を与えている高エラー率および応答遅延の根本的な要因を突き止めた」と報告。現在、技術チームが修復措置の導入を進めていると発表している。
なお、ユーザーによってはChatGPTの利用が継続可能である一方、応答速度の低下に悩まされているとの声もあり、サービスの安定性にばらつきが見られる。筆者自身は通常通りの利用が可能であり、障害が全体に及んでいないことが明らかとなった。
午後8時の時点でも、ChatGPTおよびSoraは完全に安定稼働しておらず、回復にはさらなる時間を要する見通しである。
出典:Downdetector
OpenAIは現在、本件に関する公式声明を控えているが、障害通知ページにおいてAPI、ChatGPTおよびSoraの各サービスに関して問題が発生していることを明示している。掲載された情報によると、「影響を受けているサービスにおいて、高いエラー率と応答遅延の原因を特定し、改善措置を進めている」とのことだ。
世界中で広く利用されている生成AIの代表格であるOpenAIの障害は、グローバル規模で多大な影響をもたらす可能性がある。2024年2月時点のデータでは、同社サービスの週次アクティブユーザー数は約4億人に達している。
特にベトナムではChatGPTの利用が顕著であり、同国のウェブアクセスランキングで第4位に位置している。これはGoogle、YouTube、Facebookに続く順位であり、現地での普及率の高さを示している。また、モバイル版ChatGPTアプリもApp StoreおよびGoogle Play Storeで常に上位にランクインしており、その需要の強さが伺える。
過去にもChatGPTは、2023年に数時間にわたる大規模障害を経験している。現在では画像生成機能が追加されており、これがさらなるユーザー獲得に繋がっている。一方で、Soraはリアルな映像生成能力を武器に、クリエイター層を中心に注目を集めている。
終わりに
本日の内容が、皆様のAI技術の活用や情報収集の一助となれば幸いです。
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皆様に有益な情報をお届けできるよう、今後も注目トピックを厳選して配信してまいります。
次回のニュースレターも、ぜひご期待ください。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。